2008年10月21日

デッド・ゾーン (The Dead Zone)

人と握手するたびにその人の過去や未来が見えたら…?

はっきり言ってやってられないだろう。

それも、「お、この人、餃子食べてきたな」(ま、臭いでもわかるが)くらいならいいが、「この人、今日は出かけると交通事故に遭って死んでしまう」というようなときは大変だ。

世の中、予知能力 (premonition) や透視 (psychic vision) に対して、偏見も持たず(open-minded)、積極的に理解を示してくれるという人は少ない。

「だめだ!行ってはいけない!」
「はぁ?」
「今日は出かけてはいけない」
「なに言うてますのん?これから大事な仕事の打ち合わせですやん」
「だから、出かけるなってば」
「いきなり初対面のあんたにそんなこと言われたないわ」
「今日出かけると、あなたは… 死にます」
「なにを縁起でもないことを… ちょっとこの人おかしいわ」

なんてことで、「そうですか、はいわかりました。ご忠告ありがとう」などと言ってくれる人はいない。超能力者 (a psychic) もそんな気楽な存在ではないのである。

さて、主人公で超能力者でもあるジョニー・スミス (Johnny Smith) は、かっては地元の高校教師として平凡な生活を送っていた。ある日交通事故に遭いこん睡状態になり、6年後、奇跡的に目覚めたときにはすべてが変わっていた。彼の生活も、まわりの人々も、そして彼自身も…。

これが、物語のスタートである。

そして、エピソードを重ねるにしたがって、彼の超能力は、実は偶然ではなく大きな運命的な流れに動かされているのではないかと思わせる方向へゆっくりと話が進んでいく。彼の後見人となっている、一見善良そうな牧師パーディ (Purdy) やいかにも腹黒そうで誠実さの感じられない政治家スティルソン (Stillson)、彼らが燃やす野心の炎は世界を破滅の方向へと導いているかのように感じられる。

ちなみに、ディスカバリチャネル (Discovery Channel) などでもよく特集しているのが、アメリカで徐々に取り入れられてきているのが超能力者を使った捜査。もちろん、「事件だ!それ、超能力だ!」といった安易なものではなく、どうしても糸口がつかめない、解決できない事件に対して、超能力者による透視や感じたことなどに参考に捜査を行い、事件を解決したという例もあるようである。やはり、人間が普段使うことのない、あるいは、意識していない未知のゾーン(Dead Zone)を使うことで、いろんな事柄が明らかになってくるのかもしれない。






















2008年07月18日

名探偵モンク (Monk)

文句(もんく)ばっかり言っているのか、それともお坊さん (monk) が探偵に(?)ということではなく、ドラマの主人公である探偵の名前。

さて、「名探偵モンク」こと、エイドリアン・モンク (Adrian Monk) はサンフランシスコ警察 (San Francisco Police Department: SFPD) に所属する優秀な刑事だったが、ある日、愛する妻のトゥルーディ (Trudy) が自動車に仕掛けられた爆弾で殺されてからというもの、精神的に立ち直ることができず、自宅で3年以上も引き篭もり状態 (shut-in) を続けていた。

看護婦のシャロナ (Sharona) のおかげでやっと外に出られるようになり、今では彼女が助手という形で付き添いながら、SFPD の殺人課専属のコンサルタントとして社会復帰している。しかし、強迫性障害 (Obsessive-Compulsive Disorder: OCD) を持っているため、いろんな困難なことにぶち当たる。

と言うと、なんだか深刻で暗い物語のようにも思えるが、どうして、これがなかなかコミカルである。

彼の場合、強迫性障害が極度のきれい好き、整頓好きという形で現れている。したがって、

まず、人と握手ができない。

「はじめまして、○○です」と手を差し出す相手。
「ああっ… うう…」と困惑するモンク。
助手のシャロナに促されてやっと握手。即座にウェットティッシュで手を拭く。怪訝な顔の相手。
「いえ、あの、病気なんで…」

また、犯罪現場 (crime scene) でも、乱雑に置かれているものがあると、わかっちゃいるけど、つい…

「あ、モンク、頼むから触らないでくれよ、犯罪現場なんだからな」

はたまた、ふと見つけた「プチ・シート」。「ぷち、ぷち…」などと言わせながら現場検証。

「おい、行くぞ」
「あ、あの、ちょっと待って…」

このプチ・シート、つぶし始めたら最後までつぶさないと、く、苦しいんですっ… てなことで、そこは彼の事情をよく理解している警部、「しようがないなあ、おい、手伝ってやれ」なんてことに(?)。

しかし、こんな潔癖症が役に立つときもある。

たまたま犯人を目撃したモンク。「さっそく似顔絵を」ということになった。

「こんな感じですか?」
「う〜ん、もっと大きくてふっくらしてて…」
「じゃ、こうですか?」

そして、かなりの時間が経過。

「そこはもうちょっとこうで… うん、そうそう」
「あのー、ところでモンクさん、まだ似顔絵、犯人の片耳しかできてないんですけど」
「だって、私は片耳しか覚えてないですよ」
「ええっ〜?」
「いや、耳は顔と同じで、この世の中に誰一人、人と同じ耳を持っている人はいません」

ということで、見事、「耳」だけで犯人を逮捕するモンク。いや、さすがに名探偵。

ただし、このドラマ、推理のからくり自体は甘く、たいてい犯人は最初の段階でわかってしまうことが多い。
































2008年07月15日

LOST (ロスト)

迷ってしまうおもしろさ、出口の見えない、そこは不思議な無人島。

ある日、ロサンゼルス (Los Angeles) に向けてオーストラリア (Australia) のシドニー (Sydney) を出発した飛行機が途中で墜落 (crash)。324人の乗客の中から72名が生き残った(コックピット:1名、中間部分:48名、後方部分22名、プラス犬一匹)。ここは、南太平洋 (South Pacific) のどこかの無人島 (a deserted island)… というところから話は始まる。

さて、島に取り残された生存者 (survivor) たちは、医者であるジャック・シェパード (Jack Shephard) を中心に、共同生活をしながら救助 (rescue) を待つ。たまたま同じ飛行機に乗り合わせた人々、そこには種々雑多な人間がいる。そしてそれぞれの過去がある。そんな人々がさまざまな人間模様を繰り広げながら、やっと待ちに待った救助隊がやってくる… といったよくある「感動のドラマ」というのではない。

南の島なのに北極グマ (a polar bear)?死んだはずの人があそこに立ってるぞ。あるいは、車椅子 (a wheelchair) 生活の人がここではなぜか立って歩ける、え?不治の病が治っている?など、起こるのは不可解なことばかり。ここは一体何なのか?天国なのか地獄なのか、それとも単なるイマジネーションの世界なのか?

そもそもこのドラマは何なのか?スリラーなのか、冒険モノなのか、それともミステリーなのか。

そして、救助は来ない。

あらゆる手立てを尽くしても来ない。

絶対に来ないのである。

一体、このドラマのエンディングはどう落とし前つけてくれるのか?

「この手のドラマはあきまへんわ」ということで、短気な人は早々にドロップアウト。探究心旺盛な物好きははまる。出口の見えない迷路にはまり、登場人物たちといっしょに今日も迷い、さまよっているのだ。





























2008年07月08日

名探偵ポワロ (Poirot)

ミステリチャンネルでコンスタントに放映されているのがこれ。

アガサ・クリスティ (Agatha Christie) 原作のミステリー小説をテレビシリーズ化したものである。ポワロ (Poirot) を演じた俳優は他にもいるが、個人的には、やはりこのデビッド・スーシェ (David Suchet) さん演じるアーキュール・ポワロ (Hercule Poirot)。いまやポワロと言えばこの人、アイコン化されていると言ってもいいだろう。

ま〜るい頭にこだわりの口ひげ、キューピー人形を思わせるぽっちゃり体型、片手にステッキ、内股歩きのベルギー人探偵。作者のアガサ・クリスティによれば「自己中心的で、もったいつけた話しぶり、鼻持ちならない人物」というのが設定らしいが、それがどこか憎めないのか、どっこい人気のあるキャラクターなのである。

しかし、実際に自分のまわりにこんなオヤジがいるとすると、ちょっと付き合うにはしんどいかもしれない。ドラマの中でも、犯人を明かす場面になると、必ず、事件の関係者すべてを1つの場所に集め、推理を展開していく。というより、プレゼンテーションを行うのである。よって、決してさっさと犯人を明かすというようなことはしない。その前に、集まった関係者一人ひとりを、まるで楽しむかのように、順番に容疑者として推定してみるのである。ここで、一時的とは言え、容疑者に仕立て上げられた関係者はほとんど全員キレてしまう。

またプライドも高い。あるとき、ラジオ局の知人の依頼で推理の真相をラジオで語ることになった。いつものように、事件の関係者すべてを集め、見事な推理を展開してみせた。さぞかし聞いている人たちも感銘を受けただろうと得意顔のポワロ。さっそく、ラジオ局に聞いていた人から電話が殺到。さっそく「絶賛の声」が… と思いきや、その内容はすべて「あのヒドイ英語は何だ!」という抗議の電話。ここは英国、格調高いブリシッシュ・イングリッシュ (British English) の本場である。ベルギー(フランス語)訛りのポワロの英語は聞くに堪えなかったらしい。

普通の人ならここでシュンとしてしまうのかもしれないが、そこはこのポワロ。「ジャップ警部、あなたのことですよ!あそこで大声で汚い言葉で怒鳴ったりするから!どうしてくれるんですか!」と、たいそうな剣幕で捨て台詞を吐いてさっさと一人で行ってしまう。わかっているくせに苦しい負け惜しみ。「やれやれ」と顔を見合わせて苦笑いのヘイスティングズ (Hastings) とジャップ警部 (Chief Inspector Japp) というわけである。ドラマを観ているこちらも思わずくすっと笑ってしまう。

なるほど、憎めないキャラクターである。